職場で必須!信頼関係を築くコミュニケーションとは?!

仕事をしていく上でコミュニケーション能力が必須なのは今や常識。接客、接遇、クレーム対応、プレゼン、折衝。そして、人材育成、OJT、人間関係を壊さない叱り方。「えっ!そんなに色々あるの?」って思いましたか?。大丈夫です!!全部基本は同じ。基本がわかれば、どんな場面でも応用が効きます。コミュニケーション能力は圧倒的に「後付け」の能力。延べ20000人の研修をしてきたプロの講師が「すぐに使える職場コミュニケーションの全て」をお伝えします

他人の悪口を言ってはいけない?上手な悪口の言い方

  魅力的な会話を阻害するものの一つに、「他人の悪口」があります。

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 一般的に他人の悪口を言うのは、「良くないこと」と言われますが、人間は本質的に他人の悪口を言いたくなる生き物。ホンネを言えば、どこか悪口を言いたい気持ちが潜んでいます。

 他人を貶めることは、一時的にしろ自分の自尊心が満たされるからです。

 「あの人は間違っている」=「自分は正しい」もしくは「自分は正しいあり方を知っている」ということ。

 「あの人は変」=「自分は多数派、良識を備えた人」ということ。優越感に浸れます。

  しかも、人間は他人の欠点には自然に目が行くようにできています。自分を防衛するために、他人が自分にとって害を及ぼす人かどうか見極める必要があるからです。リスクマネジメントのためには、相手の、「自分にとってネガティブなところ」を先に見つけておくことが必須ですから。

 そしてひとたびその人が「間違っている」「悪い人」とのレッテルづけが自分の中でされてしまうと、その人を攻撃することに「喜び」すら感じるはずです。「何しろ正義の側」になるのですから。TVドラマだって、悪役はやっつけられる存在。時代劇に至っては、刀で切られてしまいます。

 さすがに現代では刀で切られたりしませんが、ネットで「炎上」したり、ワイドショーなどでは火だるまにされたりしますよね。

 しかも、ひとたび正義の側に立って悪者を攻撃する快感に浸ると、気持ちがよくなって止められなくなることさえあります。だから、他人の悪口を言い始めると、止められなくなる人も出てくるのです。

  でも最近では、他人の悪口を言うと、脳が委縮して認知症になりやすくなったり、寿命さえ縮まることが、科学的に検証されているようです。 

 なぜかというと、人間の脳は“主語”を理解することができないため、他人に対して自分が言った悪口や批判を、自分が言われていると勘違いしてしまうらしく、その悪口や批判はブーメランのように自分の脳にストレスを与えるというのです。

 ストレスや不安を感じると、脳の視床下部から「コルチゾール」というストレスホルモンが放出され、このコルチゾールは、なんと記憶を司る海馬を萎縮させて老化(認知症)を早めてしまうのだそうです。

  また、人間の脳には、「これは正しい」「これは間違っている」などの倫理や道徳を判断する領域も備わっているので、自分が正しくないことをしていると、なんとなくどこか気分がスッキリしない。

 おまけに人の悪口を言うと、それが人づてに本人に伝わってリベンジされるんじゃないかとどこかで怯えを感じて気分が重くなる、モヤモヤする。このモヤモヤも、ストレスホルモンを分泌させる原因になります。そしてそのストレスホルモンが脳を攻撃し、ダメージを与える。

 だから、他人の悪口を言うことは「百害あって一利なし」のように見えます。

 でも、生身の人間、きれいごとばかりでは生きていけません。やっぱり愚痴も悪口も言いたくなる時があるのも事実。

 自分にとって不快な人(=自分の自尊心を傷つけた人)や、自分に実害を与えた人のことはやっぱり誰かに言いたい、話したい。共感してもらいたい。そうすればスッキリします。いわばガス抜き。

 愚痴や悪口は、身体に溜まった老廃物。時にはデトックスが必要です。悪口を言うことのリスクをわかった上で、上手に排泄しましょう。ところかまわず人前でするのはNGだけど、トイレに流すのはOKだと思って。

 例えば、紙に書く。PCに入力する。スマホに音声入力しちゃってもいいかもしれません。

 誰かに聞いてもらいたいなら、悪口の相手に害が及ばないように、また、相手に伝わらないような、その人とは関係のない誰かに聞き役になってもらう。相手に害を及ぼしたり、相手に伝わるリスクがなければ、気持ちも軽くなります。ストレスホルモンの分泌も最小限に抑えられるでしょう。

 そして、聞いてくれた人に感謝し、その言葉を伝える。

  デトックスしてスッキリしたら、「魅力的な会話」「気持ちのよいコミュニケーション」に無理なく戻ることができます。