職場で必須!信頼関係を築くコミュニケーションとは?!

仕事をしていく上でコミュニケーション能力が必須なのは今や常識。接客、接遇、クレーム対応、プレゼン、折衝。そして、人材育成、OJT、人間関係を壊さない叱り方。「えっ!そんなに色々あるの?」って思いましたか?。大丈夫です!!全部基本は同じ。基本がわかれば、どんな場面でも応用が効きます。コミュニケーション能力は圧倒的に「後付け」の能力。延べ20000人の研修をしてきたプロの講師が「すぐに使える職場コミュニケーションの全て」をお伝えします

必見!!あなたは誤解している!「本物のコミュニケーション能力」とは?

 

本当のコミュニケーション能力とは

 コミュニケーション能力とは、「言いたいことを、言いたい時に、きちんと言える人」そう思っていませんか?

  実は全然違います!

 どちらかというと、真逆です。本当のコミュニケーション能力とは、自分が言いたいことを、相手が「不快」にならないように、工夫して伝えられる人のことです。

 私たちは、コミュニケーションをとることで、情報をやりとりするだけでなく、相手の心理に少なからず影響を及ぼします。

「わあ!そうなの!よくわかったわ!!」と思えば「快」。「おもしろい!」「安心した」「ホッとした」「やる気になった!」も「快」です。

 逆に「イラッとした」「カチンときた」「ムッとした」「グサッときた」なら不快。

「ええ?そうなのお?・・なんかよくわからない・・」というのも「不快」です。

 人は、わからないと「不快」になったり「不安」になったりします。

 例えば、クイズ番組を見ていて、答えがわかるだけでと「ちょっと嬉しくて」、わからない時は「ちっ!」ってなるはずです。

  このように、意識していようとしていまいと、人はコミュニケーションをとることで、心理になんらかの変化が起こります。もちろん、大きい変化の時もあれば、自分でも気づかないほど小さい変化の時もあります。

 そして、どんな内容でも、相手の心理を「不快」にさせずに伝えられる人のことを「コミュニケーション能力の高い人」と言います。

 でもそれは、「お世辞」や「おべんちゃら」を言うこととは全然違います。

 例えば、「相手の意見を否定する」「要求を断る」「相手が嫌がることをお願いをする」、あるいは「叱る」などのように、相手を「不快」にしがちな場面でさえも、相手を「不快」にさせずに伝えられ人のことです。

  以前、ある受講生が、こんな体験を話してくれました。

 彼女が新人の時、上司から会議の資料を作る仕事を与えられました。初めての仕事です。頑張って、何時間も費やして完成させ、上司のところに持っていきました。

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それを見た上司は、こう言いました。

「へえ、田中さん、頑張ったなあ!これなら99点だな」

 褒められたと思った彼女が、心の中でガッツポーズをとっていると、続けてその上司が言いました。

「でもな、田中さん。学生のテストなら、99点は立派な点数だ。『合格!』って言ってあげたいところなんだけどな、社会人の仕事の公式は、『100-1=0』なんだぞ。99%うまくいっても、ちょっと詰めが甘いだけで、契約なんてすぐに引っ繰り返るんだ。だから、社会人の仕事っていうのは、いつも100点満点、パーフェクトじゃないとやったうちに入らないんだぞ」

 結局、会議資料は作り直しを命じられたのだそうです。

 でも、その時彼女は、自分が「叱られた」とはつゆ知らず、むしろ「褒められた」気分で、ルンルンしながら、また張り切って書類を作り直したそうです。

「よくよく考えてみれば、『100-1=0』なら、99点は0点なんですよね。実は私は、『詰めの甘い仕事なんて、やったうちに入らないぞ』って厳しく叱られてたんです」「後々、そのことに気付いて、なんて上手に部下を叱れる上司だったんだろう、って尊敬しちゃいました」

  叱られるのは、自分を否定されることです。否定されると人は心が痛みます。心理は当然「不快」の方向に傾くはずです。

  例えばその上司は、

「お前、社会人の仕事をなめてんのか!学生じゃないんだからな!仕事ってのは、完璧、パーフェクトじゃなきゃ、やったうち入んないんだ!!よく覚えとけ!!」などと怒鳴ることもできました。

 もちろん、時と場合によっては、大声で怒らなければならないこともあるでしょう。でも、人が怒る時は往々にして自分の腹立ちを発散をするためです。相手の心理や仕事へのモチベーションのことまで頭にありません。

 そうすると、部下は無駄に凹むか、反発するかどちらかです。少なくとも、「やる気」にはつながらないことになります。

 部下を叱る目的は、相手を凹ませることでも、反発されることでもありません。自分の至らなさを改めて、前向きに仕事に取り組むような方向に向かわせることです。

 自分の言いたいことを、どのように言えば、その先相手が自分の思っている方向に動いてくれるか、良好な人間関係を作っていけるか。

 相手の心理を都度考えながら、コミュニケーションを取れる人が、本物のコミュニケーション能力のある人です。

 「話し言葉」は書き言葉と違って、その場で消えていってしまうような印象ですが、実は心に深く刻まれたり、積み重なっていきます。

「あの人に言われたあのひどい一言、絶対忘れない!」と恨みに思うこともあれば、

「あの人が言ってくれたあの言葉があるから私はこれからも頑張れる」っていうこともあるはずです。

  そのような心理の「快」「不快」の積み重ねが、人間関係の良否にもつながっていきます。

  職場での「良好な人間関係」とは、決して「仲良しこよし」ではありません。

 「あの人に聞いてみよう」

 「あの人になら相談しやすい」

 「真っ先にあの人に報告したい」

と思える関係のこと。

 つまり、「話しやすい」=「近づきやすい」ことが人間関係の良否の指標です。

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  そして、何より大切なのは、人は「何を言われたか」よりも、「誰に言われたか」によって、受け止め方が変わるということです。

 例えば、あまり関係の良くない上司から、重箱の隅をつつくようなミスを指摘されて

「お前なあ、ふざけんなよ!今どきこんなくだらないミスしてるんじゃないよ!!」

などと言われれば、

「こんな小さなミスにまで目くじら立てるのって、俺、パワハラのターゲットにされてるんじゃないか」と思うかもしれません。

  でも、同じことを良好な関係にある上司から言われれば、

「課長、さすがだよな。こんな小さなミスまで気付くなんて。やっぱあの人、ただものじゃないな!」と尊敬されるかもしれません。

 狼少年だって、「火事だ!」って騒いでも、誰も信じてくれなかったのは、それまでの「不信感」の積み重ねの結果です。

 日々のコミュニケーションの積み重ねが、その人との関係性を作り、その結果、自分が言ったことを、相手が好ましい方向に受け止めてくれるかどうかが変わります。

  企業が「新人に期待すること」の、常に上位にランクインする「コミュニケーション能力」。

「あいつなら力を貸そう」

「あの人の言うことならついて行く」

 そう思ってくれる人をたくさん持っている人が、「仕事のデキる人」になるのは当たり前。

 本物のコミュニケーション能力とは、究極、自分に対して、他人が協力的になってくれるような関係や状況を作りだせる能力を指すのです。